--年--月--日(--) 記事No.
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 |  記事を編集 | 

2007年01月13日(土) 記事No.15
別館takam16もよしなにぃ。

2週間前に年が明けておめでたい限りなのであるが、
初書きを直木賞予想」と決めている筆者にとっては、
年明けから競馬予想のごとく頭を悩ませる時を過ごさせてもらった。

2007年の第一更新が遅ればせながら1月14日という
ことの言い訳はこの予想が要因だったということから書き出しを
始めさせてもらうことをご了承願いたい。


さて、第136回直木賞の発表は、1月16日(火)のゴールデンタイム頃らしい。

候補作品は2006年6月~11月に発表、または出版された物語である。
正月明けにその候補作が世に出回ったが、候補者達がそれを知るのは12月10日
前後と思われる。6作品が候補作として名乗りをあげた。

-------------------------------------------------------
「空飛ぶタイヤ」 池井戸潤

「失われた町」 三崎亜記

「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子

「ひとがた流し」 北村薫

「どれくらいの愛情」 白石一文

「四度目の氷河期」 荻原浩

-------------------------------------------------------


直木賞は出版社の文藝春秋のもとで行われるエンタメ作品の賞レースである。
よって候補作の絞込みは文藝春秋の社員が行うことになっており、
最後まで残った作品を選考委員であるベテラン作家達が集まってごちゃごちゃ
言いあいながら最終的な結論を出す。


過去20年、半年に1度、つまり40回の直木賞が開催され、
うち23回(1度の開催に2人選ばれた場合、1回と考える)を
文藝春秋作品が受賞するという結果が出ている。
もちろん過去20年間合計40回すべて、候補作に文藝春秋作品が含まれている。

実に57・5%の確率で文藝春秋作品が直木賞を受賞する。
しかも、現在のところ

5回連続文藝春秋出版作品が直木賞を受賞し、果たして今回も直木賞は文藝春秋作品なのか
ということにため息まじりながら注目せざるをえなくなる。


文藝春秋作品はホームアドバンテージを十分すぎるぐらい与えられており、
直木賞とは、サッカーでいうならば、文藝春秋スタジアムに目一杯詰め掛けた
文藝春秋サポーターの熱い声援のなかで文藝春秋作品は歓迎され、一方
他の出版社は罵声を浴びせられながら自らのプレーに集中できずに
縮こまらざるをえない状況というわけだ。

果たしてこのアウェーという不利な条件の下、他の出版社が栄光を勝ち取ることが果たして
可能なのかというのが本予想の最大のポイントである。

消去法という形でまずはアウェーの顔ぶれをチェックするとしよう。

失われた町
失われた町三崎 亜記

集英社 2006-11
売り上げランキング : 1765

おすすめ平均 star
starこれはきついです
starウマさとクサさ
star才能の開花を感じさせる佳作

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



3回ぶり2度目の選出となった三崎亜記の作品だ。
著者は現役の市役所勤務の公務員の傍ら、執筆活動を続け、本作が自身3作目と
なるまだまだ新人作家である。平成14年には歴代直木賞受賞者の経歴に多く見られる
「小説すばる新人賞」を
受賞しており期待は高いのだが、今直木賞候補はあまりにも顔ぶれがベテランすぎた。
また、直木賞はあまり現実にありえなさそうな物語や奇想天外な物語に失格の烙印を押したがる
傾向がある。その理由は選考委員がおおいに50~70代の作家達であることと、彼らの多くが普通の
日常にありえそうな小説を好むからだ。
ちなみに出版社は集英社。直木賞との愛称はアウェーながらも良いのだが、
作品が直木賞路線に沿っていないと判断されそうなため、落選。


空飛ぶタイヤ
空飛ぶタイヤ池井戸 潤

実業之日本社 2006-09-15
売り上げランキング : 6808

おすすめ平均 star
star思わずレビューを書きたくなるほど、満足した!!
star経済小説が好きな人に
star正義は勝つ!な世の中だといいなあ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


実業之日本社は直木賞において、著者をステップアップさせる位置づけである
一方で、著者にNOを突きつけるにはうってつけの出版社である。
例えば宮部みゆきは直木賞受賞の過程で実業之日本社刊「返事はいらない」で自身2度目の候補と
なっている。その作品は落選し、のちに彼女は6回目で直木賞作家となった。
また、伊坂幸太郎は今度こそ今度こそと直木賞を期待されながらも前回の実業之日本社刊「砂漠」で
直木賞がますます遠のいた。
実業之日本社での受賞は過去に例はなく、選出されるのであれば早いうちがなおよい。
その点でいうなら、池井戸潤は今回が初選出である。
銀行出身者の利点を生かし、金融がらみのプチミステリーを書いており、将来文藝春秋社刊という
ホームアドバンテージを得られれば、受賞もまんざらではないだろう。
実業之日本社ではアウェーで勝つことはできない。落選。


ひとがた流し
ひとがた流し北村 薫

朝日新聞社 2006-07
売り上げランキング : 2568

おすすめ平均 star
star人から人へと<思い>がリレーされる物語
star心に余韻の残る作品
star流れるように

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


さて、ややこしい作家が選出された。実績十分、最年長57歳北村薫のお出ましである。
おおむね、直木賞選考は点(作品)でなく線(作家)でとらえる傾向がある。
ならば6回ぶり4度目のこの苦労人が受賞に最も近いのは否定できるものではない。
しかしながら、苦労の末の受賞というものにはどうしてもホームアドバンテージの力が
必要である。何度も受賞を逃した作家が日に当たるにはホームの恩恵が不可欠で、
それは例えば今作品が文藝春秋からのものであったり、または過去の受賞経験のうち
1つでも文藝春秋作品があるかということである。
前者では東野圭吾「容疑者Xの献身」がいい例であり、後者では宮部みゆきである。
ちなみに宮部みゆきも苦労人の1人で、直木賞作家になるのに5度辛酸をなめている。
うち1回は文藝春秋作品が含まれており、6回目で受賞となった「理由」は
本作品と同じく、朝日新聞社からの刊行であった。
朝日新聞社から選出される場合、受賞か、2度と選ばれないかのいずれかである。
宮部みゆきは受賞したが、真保裕一は舞台から去った。北村薫の正念場であるが、
文藝春秋のホームアドバンテージが得られないため、答えは真保裕一とする。


一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
一瞬の風になれ 第一部  --イチニツイテ--佐藤 多佳子

講談社 2006-08-26
売り上げランキング : 636

おすすめ平均 star
star先頭を行く者だけにわかる喜び
starこれまでに無い心地良さ
star心理描写が色濃く描かれたスポーツ小説

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


さあ、期待の作家の登場だ。
児童文学や少年少女小説で自らの実績を積んだ作家は直木賞作家になる可能性が非常に高い。
その理由は、直木賞受賞にふさわしいとされる愛やら命やらつながりやらきずなといった
テーマは児童文学には欠かせないものであり、そこで磨かれた筆力は非常に重宝される。
過去にも、江國香織、村山由佳、唯川恵、山本文緒、最近では森絵都などがおり、
十分な実績の上での選出なために、初選出で受賞ということもありがちだ。
さらに、久々の選出となった講談社は過去に将来の直木賞を多く出し、またアウェーの中で
他出版社中最も受賞率が高い精神的にもタフな出版社として知られている。

初選出初受賞では
金城一紀、
藤原伊織、
佐藤雅美、

初選出が講談社でその後別の出版社で直木賞を受賞した
奥田英朗、
重松清、
乙川優三郎、
桐野夏生、
浅田次郎

と、例は少ないように見えるが他の出版社の例と比べれば断然多い。

しかしである。
本作「一瞬の風になれ」は実は3巻まであるのだ。
そして選考委員の多くがこういう作品を非常に批判する。
なぜだ!

新人は長いものを書くべきではないや、もっと短く書けるのにとかいろんな
御託を並べるも、実のところ
長いのを読むのが面倒くさく、そんなことに時間を裂きたくないだけなのだ。
特にこういう長篇にケチをつけるのが渡辺淳一である。
「愛の流刑地」の1月映画化で本人はひどく多忙かつ、また新たな新聞小説を連載している
せいで、今回はさらに難癖をつけるであろう。そのくせ本人は上下巻モノをきわめて
多く出版している。

よって、佐藤多佳子の今回の受賞は多数決で見送られる可能性がある。
しかし、次に出てきたときは文句なく直木賞作家としてふさわしい。


四度目の氷河期
四度目の氷河期荻原 浩

新潮社 2006-09-28
売り上げランキング : 3630

おすすめ平均 star
starう~~ん、消化不良かなあ。アイデンティティ喪失はむしろ普通の方が深刻なのでは
starみにくいアヒルの子?
starブラボー

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


さて、アウェーの取を飾るのは、2回ぶり2度目の候補、荻原浩である。
そして今、最も乗りに乗っている作家の1人でもある。
渡辺謙の琴線に触れまくった「明日の記憶」の映画、昨年9月には「僕たちの戦争」の
TVドラマ化も実現した。と、露出の度合いはこのくらいにして、彼の場合には
直木賞受賞者にうまく当てはまるある法則がある。

それは、文藝春秋のライバル新潮社が主催する「山本周五郎賞」にまつわる法則だ。

直木賞側(文藝春秋)にとって山本周五郎賞(新潮社)は、あとからの新参者。
136回目の直木賞に比して、山本賞は19回。山本賞は年に1度の賞だとしても
その歴史には雲泥の差がある。
しかも冠のついている作家山本周五郎は、直木賞の受賞を辞退した人物である。
しかしながら、山本賞受賞作品は決して直木賞に劣らぬ作品が多く、レベルも低くない。

そして直木賞は山本賞に実は強烈な嫉妬を抱いているのである。
その証拠に、山本賞を受賞した作家を直後の直木賞に選出し、落選させるという期限付きの
毒まんじゅうを与えるのだ。
直木賞なんぞまだまだだといわんばかりのこの手口。
ところでこの"期限付き"というには意味があり、
しばらく時が経つと、落選させながらもある程度気になった作家は再度選ばれる傾向がある。
そこで直木賞を獲らせてやる。

一方の山本賞側(新潮社)は、自身が新参者であることをきちんとわきまえているようで、
先に直木賞を受賞した作家を候補作に選出することはまずない。
つまり山本賞は直木賞より格は下であることを自ら認めているわけだ。

さて、①山本賞作家を直木賞候補で一度落として次以降に受賞できた作家は
江國香織
乙川優三郎
重松清
宮部みゆき

といった顔ぶれがいる。

ちなみに、②山本賞受賞後に最初に選ばれた直木賞で受賞した作家もいる。
熊谷達也
京極夏彦
篠田節子
船戸与一

ついでに、③山本賞では落選したが、直木賞を獲った作家もいる。
もし今回受賞できるなら 佐藤多佳子、その他では
三浦しをん
山本文緒
藤田宜永
坂東眞砂子
海老沢泰久
高村薫
伊集院静
小池真理子
宮城谷昌光 (現在の直木賞選考委員)

など。

直木賞予想は山本賞なしには語れないのが現状だ。


受賞すれば荻原浩は①に該当する作家となる。
ちなみに①に記した作家は乙川優三郎以外は文藝春秋出版以外での
出版社での受賞である。
「四度目の氷河期」は新潮社からの出版だ。
では、ライバルから受賞者を出すのはおかしいのではと思うだろうが、
作品それ自体は文藝春秋も否定するものではない。
近年では

130回 江國香織 「号泣する準備はできていた」
129回 石田衣良 「4TEEN フォーティーン」
124回 重松清  「ビタミンF」
115回 乃南アサ 「凍える牙」

もちろん全新潮社候補作から受賞作の確率を出すと他より低くなるのは
多少のライバル心もみられるが、確率が低いということは
新潮社も候補作として名乗りをあげるぶんには他と遜色はないということだ。
先に紹介した4作品と比べると、実績、知名度、旬は兼ね備えており、
作品自体にも非現実的な幻想を描かない今作品は
直木賞に最も近いアウェー作品といえるだろう。
主人公を「僕」とした点が一人称作品を否定する選考委員宮城谷昌光のひんしゅくを
かいかねないが、選考も多数決の世界だ。他作品よりは票を稼ぐことは十分可能と見る。

すると、ホームアドバンテージを存分に見せつける文藝春秋作品を紹介せねばならない。  

どれくらいの愛情
どれくらいの愛情白石 一文

文藝春秋 2006-11
売り上げランキング : 1453

おすすめ平均 star
starこの作品で「直木賞」を!!
star今一番お薦めの作家。
star思考の動きの順

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



近年ホームの文藝春秋からはアドバンテージを存分に生かして必ず2~3作品を選出し、
また数うちゃあ当たれの感もあり、それが功を奏したのか、5年連続の受賞なのだが、
今回はこの1作品のみで勝負に出た。

それは、昨今の文藝春秋への身内びいきの批判に応えたものかもしれない。
または、文藝春秋刊行作品に選考委員を唸らせそうな作品が不足していたのかもしれない。

本作品は、直木賞初選出である。
初選出でいきなり直木賞というパターンはそれが文藝春秋作品であってもなくとも、
いくつか存在する。

ただし、文藝春秋1作品のみの選出で、しかもそれが他の新人賞の受賞歴なく、
山本賞の候補歴もないのにいきなりの直木賞候補.....

実はこの白石一文は作家のDNAと文藝春秋のIDを備えた文壇エリートである。
DNAとは父が同じく作家で直木賞歴のある白石一郎。そしてIDとは、彼は
元文藝春秋社の人間である。
つまりはどんな著名な作家を以ってしても超越できないホームアドバンテージがある
というわけだ。
ならばこの勝負、白石一文にあり!!

といきたいところだが、そうは問屋が卸さない。
直木賞の選考は前にも触れたがしばしば点(作品)ではなく、線(作家)で捉えようとする。
作品でいうならば、直木賞候補に選ばれるだけのインパクトを含んでいるし、
周囲の評価もすこぶる高い。
ただし、線で捉えた場合、どうしても本人の評価と父の評価をダブらせてしまう恐れが
ある。線は1人のものであるはずが、親子で1本になってしまうという矛盾である。
なぜならば、父、一郎が受賞した昭和62年時の選考委員である井上ひさし、五木寛之、
渡辺淳一の3人はいまだに選考をしており、父の作品とは時代設定や描写などは異なるものの、
彼らは必ず当時に思いを馳せるはずである。
文藝春秋側としては親子受賞を宣伝文句にグ~ンとうまい商売をしたいところだが、
文壇で親子どんぶりは正直ごめんである。父は受賞までに7回も辛酸をなめた。
将来の直木賞作家としてもう少し温存しておくのが最善であろう。
もしも直木賞受賞なんてことが現実に起これば、直木賞ヤラせ問題が浮上しても
NOとは言えない。
出来レースはもうごめんである。

よって、

136回直木賞は

荻原浩 「四度目の氷河期」 (新潮社)

とする。

念のため、W受賞もありと考え、

荻原浩   「四度目の氷河期」 (新潮社)
佐藤多佳子 「一瞬の風になれ」 (講談社)

の2作を予備予想とする。


アウェーで勝てるということは、直木賞受賞後の将来も期待ができる、
精神的タフさを備えることになる。


以上が予想のすべてである。
これでよいお正月をむかえられそうな気がする。


発表は 1月16日。


それまでごきげんよう。









 ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト
未分類 |  トラックバック(0) |  コメント(4) |  記事を編集 | 

2007年01月22日(月) 残念~!
受賞作なし、でしたね。
「なんでやねん」と代理でツッコミ入れておきました。
mix-hanabi | URL | コメントを編集 | 
2007年01月22日(月) き、北村さん・・・
パタリ・・・。

takam16さんの予想とは異なりますが、今度こそ!と思ったのになぁ。

むー、残念。
つな | URL | コメントを編集 | 
2007年02月04日(日) はなび~どの
さすがはお笑いの傍聴人ことはなび~どの。

ここで受賞者なしのお家芸を出してくるとは思いませんでした。

なんでやねん!
takam16 | URL | コメントを編集 | 
2007年02月04日(日) つなどの
パタリ...。

こ、これは和かだんなの得意技!!

パクリはいかん、パクリは。
takam16 | URL | コメントを編集 | 

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。